大きなビルの壁一面にある大きな窓。
一息つこうと思って伸びをした瞬間に感じた、窓の外の空気。
昼間の陽の光に照らされている大きなビル、ビルの影がうつる小さなカフェ、
同じ場所なのに、太陽が移動するだけで違う雰囲気になる街並み。
風がはいってこないはずのビルの中に、「東京の冬」が漂った。
そんな午後のひとときを感じながらふと思い出した、ニューヨークの午後。
大きなビルがいっぱい建ってて、
でもその間にはかわいい小さなアパートとショップが並んでて。
爽やかな陽の中で、暗くなったり明るくなったり、
高さが違う建物、ただそれだけなのに、いやそれだからこそ見られるいろんな顔。
それぞれの街のそれぞれの顔。
岡田光世さんの新刊「ニューヨークの魔法のはなし」の発売が楽しみで楽しみで仕方ない今、
今日みたいな感動的な午後には、光世さんシリーズがいい!いますぐ読みたい!
って思わずにはいられませんでした。
その欲望が頭をよぎってから、帰ってくるまで「岡田光世」が脳内占拠。
わたしが光世さんの本に出会ったのは大学生の頃。
存在は意識してたけど、読まずにそのまま。
ニューヨーク行きを決めたときでさえも読まずに、お留守番。
帰ってきて友達に改めてすすめられて、留守番をしてたその一冊を手に取ったら、
温かさと感動に包まれて、いつの間にかバイブルと化してました。
NY経験の有無関係なく、人の温かさを感じられる本。
でも、この作品たちを読むならNYに行ってほしい、酸いも甘いも味わってほしい。
ニューヨークを濃く味わいました、っていうNY経験者が読んだら、泣いちゃうはず。
泣いちゃって泣いちゃって、最後にはとびっきりの笑顔が待ってるはず。
お気に入りのスカートで出掛けたら、いろんな人に褒められて嬉しくなった日のこととか、
一人では耐えられない寂しい夜、それでもちゃんと一人で寝るために行ったリカーショップで、
店員さんが楽しそうにワインの説明を何十分もしてくれた日とか、
学校の課題に追われて心身ともにやられそうな帰り道に寄った薬局で、
だいすきな店員さんがやさしくしてくれたこととか、
そういうかけがえのない、人のぬくもりを思い出してほっこりして、
そういう素敵なことを思い出せた自分にもうれしくなって、
感動が感動をよぶってこういうことなんだなって思います。
みんなが岡田光世さんの本をよんだら、きっとこの世から争いなんてなくなるんじゃないかな。