映画を書いたから、こんどは本。
本の虫とはよくいったもので、ほんとうに虫だったら、
わたしはでぶでぶぷにぷにの幼虫でしょう。
「人のセックスを笑うな」 山崎ナオコーラ
本について書こうとおもったときにでてきたのが、これ。
なんでこの本が最初にうかんだのかは、、、自分でもハテナ。
っていうのも、これは特に好みのわかれる部類なんじゃないかと。
雰囲気の描き方が絶妙で、
セーターにささくれ、唇の皮がむけてたりして、
青い空、白い雲、でもときどきどんより雲。
39歳のユリちゃんに、19歳の美大生(♂)。
あやしい題名
あやしい設定
しかも、美大生の名前は磯貝みるめ。あやしい名前。
けど、この本を手にとったとき、なぜか嫌な感じがしなかった。
当時中学3年生、本は親にねだるもの、なわたしを考えると、
このタイトルを手にすることがどれほど勇気のいることだったか。
本屋さんの棚の4段目(一番下の段)にひっそりと隠れてて、
(でもわたしからしたら「頭隠して尻隠さず」に見えた。気がした。)
ずいぶん前のことだけど、手にとったときのことはしっかり覚えています
強烈なタイトルなのに、全然いやみのない感触。
あやしいもの揃いなのに、
読んでみたら、絵本みたいに、透きとおってて、
冬に自転車で坂道をくだるくらい、すっきりしてつめたくて、
ちょっと、りんごのほっぺになっちゃうような。
なにが楽しい!というわけではないのに、でももう一回もう一回って
下ってるうちに、夕方になっちゃった。っていう子供のころの小さな幸せとせつなさ。
余白部分というか。描かれてない部分に、どんどん惹き込まれていく。
映画しかみていない人は、捕まります。
「白菜、豆腐、プリン、春菊、ネギ、白たき、うどん、鱈。」
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