母のだいすきな映画。
「海の上のピアニスト」 "The Legend of 1900" (1998, Italy)
最高のピアニスト。
この地では存在していないピアニスト。
の、話。
過去が、過去だから美しいのではなくて、
過去を語る今が美しいから、美しいの。
切ない美しさ。透き通った海の色。
笑えることを言っているのに、くすっじゃなくて、ほろっになっちゃう。
かわいそうとか、そういう感情じゃなくて、
自分にはどうすることもできない何か、
触れることのできないもの、届きそうで届かないものを、
一番近くで見ている感じ。
切なくて、大切にしたくて、手をのばしても、
伸ばした手の行き場はなくて、
でも、手を伸ばしてみたら、そこに陽が当たって、手があたたかくなりました。
そういうときの冷たさと温かさ。
この映画をトップにあげる人がわたしの周りには多くて、
母のベストでもあるし、それなりにすごい作品なんだろうな、
と甘く観ていた自分が愚かになってしまうくらい、
いい。
ピアノの音色も。
ピアノが、楽器が、海が、恋しくなる。
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